ヒロ

吉原炎上のヒロのレビュー・感想・評価

吉原炎上(1987年製作の映画)
4.8
僕の中で吉原といえば廓詞ありんすであり、南方先生であり、ペニシリンであったのだが、それが強制削除されるほどの完璧な出来。せっくすとはこうゆうものだよと教えてくれる先輩花魁によるレズ講義に始まり、惚れた男に貢ぎに貢ぎ用が済んだらさようならされた花魁の自決、梅毒に犯され血を吐きながら暴れ狂う幻想に生きた女のハイスピードダンシング、稼いだあぶく銭を泣きながら搔き集めるせっくすしんぼるかたせ梨乃の姿に泣いた後は、吉原炎上とともに炎上する根津甚八にまたまた涙。本当に心の底から惚れた女は抱けないのよって、もう見所しかない。そんな地獄の女の園を舞台装置を駆使した身体性重視の演劇的な長回しで捉えるかと思えば、ここぞここぞの超映画的トラックアップカットバックやハイスピードってやめろ気絶する。台詞や音楽までいいってもう絶命。

男が通う極楽道、女が売られる地獄道
嫉妬や妬みに埋もれるな、嘘を塗れば怖くない
同情するなら抱いてくれ、そんでいっぱい金をくれ
一晩いくらのこの身体すっきり抱いてくださいな
生きてるうちに観なさいよ。
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