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TAMALA 2010 a punk cat in spaceのmitakosamaのレビュー・感想・評価

TAMALA 2010 a punk cat in space(2002年製作の映画)
3.4
個人的にはコレはもっと評価されても良い作品だと思う。もっといえばアニメに歴史の教科書があれば載るべきエポックメイキングな作品だったと思ってる。
今作の立ち位置がとっても微妙なんだよね。確かに2000年代初頭のブラックユーモア溢れるファンシーキャラのフラッシュアニメーションって、アニメ業界的にどう扱って良いか判らなかった。
スーパーミルクちゃん・ねこじる草などのサブカル系アニメは一般のアニメとは別物として捕らえられていた感もあった。

今作TAMARAもそうだったし、サブカル系の鼻についた感じ、ストーリーの若気の至り的な中二感。スカした作品て印象は強かった。
パンキッシュな作風に、作り手のドヤ顔が垣間見える作品。

でもさ、この映画は当時劇場で見て、それだけじゃないなんか訴えかける物は凄いあったんだよ。オタ向けとかサブカル系とかってジャンルを超越した魅力が確実にあった。
強いて言えばね、立ち位置が紀里谷和明の実写板キャシャーンに似てる。どう扱っていいんだか判らないが、なんか引っかかる物がある作品。

CATTY&Coなる会社が支配する世界で何度も生まれ変わり1歳を繰り返す猫のタマラ。咥え煙草でタメ口。カワイイ声で「ファッキンぶっ殺す」とか言っちゃう。
歴史上で暗躍していたCATTY&Coが、ユダヤの陰謀のような世界観。

一般的なアニメの文脈にない作風の為にアニメの歴史から抹殺されてしまった作品に思える。もしこの作品がもう少し正当な評価をされていたら、もっと色んなタイプのアニメが作られていたのではないだろうか?
湯浅政明がフラッシュアニメの可能性を打ち出した今だからこそ、今作TAMARA2010の再評価を望む。
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