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告発のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

告発(1995年製作の映画)
3.9
名作と言われるのはケヴィン・ベーコンの名演技に尽きます。長期にわたってアルカトラズの光のない独房に入れられ拷問を受け、肉体は生きながらえたけれど、精神は死んでしまったヘンリー。そのヘンリーが同い年の弁護士と出会い、少しずつ心に光を取り戻していく様は、実話とはいえ、誰をモデルにしてこの演技ができたのか、とにかくケヴィン・ベーコン素晴らしかったです。

最初30分ほどは目を覆う理不尽な拷問と監獄地獄が続きます。

独房から解放されたものの精神を来したヘンリーが囚人を衝動的に殺してしまい、熱血の弁護人と出会ったことは地獄に降りてきた蜘蛛の糸のようでした。

声すらも出ない。現実感を失い。生き延びるために、精神を保つために楽しみ(大リーグの試合)だけを考える。脚は弱り、腱を傷めつけられたので、身体を支えられない。痩せこけ、背中は曲がり、音や刺激に敏感になる。むごたらしい姿でした。

ヘンリーは長きにわたり独りだったので話し相手が欲しかったと弁護士のジムに訴えてもなかなか伝わりません。


弁護士は新人で初公判のわりには熟練すぎたところがかなり気になり、どこまでが実話かと年代含めて鑑賞中には思いましたが、その疑念を払拭するケヴィン・ベーコンの名演技に引き込まれました。
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