セッキー

FAKEのセッキーのレビュー・感想・評価

FAKE(2016年製作の映画)
4.0
 この映画を見終わってわかったことはどうやら佐村河内はそこまで嘘をついていないようだが音楽の才能は新垣さん程はないということ。耳が聞こえているとか、被曝二世がどうとかそんなことはさておき、この映画が明らかにしたのはその点である。
 劇中佐村河内は音楽の指示書というものを見せるが、楽譜一つ書かれていないそんな言葉のメモで大曲を作れるはずもなく、どう考えても新垣さんの音楽的才能なしには成り立たなかった音楽だろう。
 そしてもう一つ明らかになったことは佐村河内がとても魅力的な人物だということだ、劇中、豆乳を時間をかけて飲むシーンや、ホッペを叩いて音楽する姿はとても微笑ましく場内は爆笑の渦に包まれた。この映画は佐村河内の魅力で持っていると言っても過言ではない、スキャンダラスさも含め。なんてチャーミングな人なのだろう、この人のそういった部分に関係者や所謂騙された人々は惹きつけられていたのではないだろうか。アイドル的な魅力もあり、自己プロデュース能力に長けていて、自分の輝かせ方をよく熟知している。それは一種の才能なのだ。
 一方新垣さんといえばどうだろう?一切そんな能力はなくやはり裏方の人という印象がある。とにかく自分を良く見せるということが下手な人だ。バラエティ番組に出演してはいるがそれは一過性のものでいじられキャラ要因としてただ利用されているだけだ。なんだかあんなに才能のある人だから時間が勿体無い気がする。やっぱり表に出る佐村河内、裏方の新垣ということでバランスが良く取れていた二人なのではないだろうか?新垣さんも多額の報酬を貰っていたようだし、なんだか悪いのは佐村河内一人ではないような気がする。
 でもやっぱり音楽(芸術)は嘘をつかない、これだけははっきりしている。
セッキー

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