社会学者

FAKEの社会学者のレビュー・感想・評価

FAKE(2016年製作の映画)
5.0
森監督がいつも言われる、2項対立のへの抗いが作品に描かれていた。善か悪か、正義か不正義か、天使か悪魔か、嘘か真か・・・。このように単純に2分化してみる世界を、ことごとく相対化する。尊敬申し上げる宮台真司教授も批評で書くかれたように、佐村河内悪、マスコミ善の構造を映画では反転し、佐村河内善、マスコミ悪という描き方をする。しかし、それも前半までで、外国人記者の鋭い質問(例えば、奥さんなしでどうやって新垣さんと会話してたの?(因みに、新垣さんは手話ができない。)あなたが、作曲した証拠はどこにあるの?など)や森監督の疑問(「あんた、ホントに音楽好きなのかよ」と守さんに直に言うところ。)を通して、その2項対立も相対化する。どこまでが真実でどこまでがフェイクなのか、正直見終わっても分からなかったが、素晴らしい作品です。(森監督の作品はホント好きです。)
社会学者

社会学者