名匠フェデリコ・フェリーニの晩年の一本。
かつてジンジャー・ロジャースとフレッド・アステアにあやかったダンスを披露するコンビだったアメリアとピッポは、恋に落ちて別れたが、30年後に再会する。その目的はクリスマス向けの特番に出演することだったが、かつてとは異なるテレビ業界の裏側に直面し、ベテランの2人は困惑してしまう...。
マストロヤンニと、フェリーニの奥さんのジュリエッタ・マシーナというイタリア映画史を支えてきた名優コンビの演技が堪能できるのが最高でした。フェリーニ作品にしては非常にライトに楽しめるので、入門としてもオススメ。
かつての栄光とは対照的に、今やすっかり落ち着いてしまったアメリアとピッポが、痛む身体に鞭打ちながら再びダンスと、そして懐かしのパートナーと向き合った先にあるものとは。ハイライトはやはり番組のシーンなのですが、そこに至るまでが長めに取られていて、2人の過去にもフォーカス。だからこそ、ラストのダンスシーンはグッとくるものがあり、これこそフェリーニ節という感じの人生賛歌でした。
実際にマストロヤンニとマシーナもダンスのみならず、軽快なタップダンスまで披露してくれます。
ラストの駅のシーンはほっこりしつつもウルッとしてしまいました。いつまでも輝きのある人生を送りたいなとしみじみ。