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東京流れ者のrollinのレビュー・感想・評価

東京流れ者(1966年製作の映画)
4.4
「奴は三度転んで駄目だと分かると、きっとハリケーンを吹かす男だ」

鈴木清順監督が日活の顔面にブチまけた白濁歌謡映画祭。大好きな監督たちが影響を受けた作品なんて大好きに決まっとる。

観客の生理を一切顧みない豪快且つ散文的なモンタージュは、ジャンプカットを超えたジャンプシーン。ワードセンスに溢れた台詞回しとモダンなフレーミング、一点透視の世界、プライマリーな色彩設計や神経病的な舞台装置など、その全てが前衛的なグルーヴとなって『東京流れ者』のミュージックフィルムを転がしていきます。

不条理でありつつ、一貫した理性による節制が心掛けられていて、それがある意味コミカルで寓話的、ポップな印象をもたらしとるね。

渡哲也のどこにも寄る辺が無い様な存在感はまさしく東京無宿。終盤のアオリのショットでは、一瞬ヘンリー・フォンダに見えた様な気がしなくもなくなくない。
そして松原智恵子がめちゃくちゃ可愛い!
傑作!
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