トランスマスター

デモンズのトランスマスターのレビュー・感想・評価

デモンズ(1985年製作の映画)
4.0
♯109(2025年)彼らは墓地を聖堂とする。その墓石で街を作る。

舞台は80年代のダウンタウン
東京メトロ銀座線の駅構内で謎の仮面男から映画スニーク試写会の招待状を受け取った女子大生シェリルが、友人と謎の劇場メトロポールを訪れるところから始まる。上映されるホラー映画の内容は16世紀に活躍した予言者ノストラダムスの墓を暴いた若いカップル達が呪いの仮面を被りデーモン閣下になっていくストーリー。現実でも映画と同じ事象がリンクしてしまう。観客のローズマリーというアフロ女子が呪いの仮面を被ったことで死亡フラグが成立し、悪魔「デモンズ」に変貌。デモンズから受けた傷で感染は劇場内に広がり、観客たちは逃げ場のない空間で次々とデモンズとシンセサイザーとヘビメタの旋律に襲われていく。生き残りをかけた戦いの末、シェリルとジョージは劇場を脱出するが、外の世界もすでに崩壊していた …。

◆良い点/注目ポイント
・クリーチャーから逃げ惑う群衆のヘビメタBGMは歌詞もTPOに合っていてとても笑えます。
・CAPCOMの『ファイナルファイト』に出てきそうな80年代のコカイン中毒の若者チンピラ一味がモブキャラ過ぎて笑えます。その中でも一番笑えたのはコカインをパンク女子のオッパイにこぼしてしまいそれをカミソリの刃で集めている男がカミソリで乳首をいたずらしている最中に手元が狂ってオッパイを切ってしまい怒られるというコントが秀逸です。イタリアのギャグセンス恐るべし。
・劇場ホールに展示されているモトクロスバイクは走れるし、忍者のマネキンが持っている日本刀は真剣だし、呪いの仮面はノストラダムスの墓にあった本物だし細部まで凄いツッコミどころ満載。
・盲目の男性と一緒に来店したリズという女性が館内で他のハゲたおじさんとイチャイチャしていてこれが噂の『上野オークラ劇場』スタイルか!と思いました。

◆改善点
・登場する若者の男女全ての顔面偏差値が高過ぎて邦画のようです。

◆総括
・今作はDVDレンタルの取り扱い店がどこにもなく、中古DVDも2,500円以上するプレミアムホラームービー。
やっと鑑賞することができました。
『サスペリア』や『フェノミナ』でお馴染みのダリオ・アルジェント脚本のツッコミどころが満載です。

トロマ映画のように狙った笑いではなくて、真剣にゴア描写満載のホラーにしているのに時代が経つと全ての演出がコメディに昇華してしまうとこが奥深いです。

さらにラストの展開は誰も予想不可能

私はホラー映画をあまり観ないのですが、これはオススメです。

-2025年109本目-