『頂上作戦』のラストで菅原文太が「もうワシらの時代は終いで」と小林旭に言った、その世代交代のドラマを、笠原和夫からシリーズを引き継いだ高田宏治が丁寧に描いている。『映画の奈落 北陸代理戦争事件』に載っている「笠原さんの脚本はいつもみごとに話が並列的に進む。大きな流れそのものを主役にしてるところがある。ぼくは一人の個人を主役にして、上昇志向と意地があり、ど根性を見せる奴を徹底して共感をもって書こうと思った」という高田の発言通り、ストーリーは北大路欣也演じる松村のど根性に収斂していくのだった。個人的には、田中邦衛がやっと死んでスッキリ。刑事役の鈴木瑞穂が渋かった。