安堵霊タラコフスキー

家宝の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

家宝(2002年製作の映画)
5.0
中古で販売されていたDVDを見つけ、高かったけど欲求を抑えられず無理して購入したが、その甲斐が十分すぎるくらいあった美しい傑作だった。

小津とブレッソンを合わせたような、持続性のあって均整の取れたカットが終始続いて(単なる移動のカットだけで美しい!)、内容は殆ど理解できなかったけど実に見応えのある作品となっており、見ている間ずっと多幸感に包まれていた。

切り取られた情景が全て美しい、それだけで傑作足り得ることの証明のような作品で、小津の麦秋やドライヤーのガートルード等を見たとき同様視覚による感動が尋常じゃない作品こそ真に至高だと強く思わせられた。

万が一心にそこまで響かなかったら売って金に換えてしまおうかとも思ったけど、そんなことはせず邦題の通り家宝とさせて貰おう。