emily

世界でいちばん不運で幸せな私のemilyのレビュー・感想・評価

4.1
 ジュリアンとソフィーは小学生の時に出会い、二人にしか分からないいたずらの数々を繰り返すゲームを始める。ゲームには必ず”のる”。そして相手の出した条件をクリアする。子供の頃は無邪気ないたずらに過ぎなかったが、徐々に大人になると徐々にいたずらは度を越していく。お互いゲームに捕らわれすぎ、本当の気持ちに気が付くのに空回りしてしまう・・

 こんなにもキュートで唯一無二のラブストーリーはあるだろうか?幼い頃から繰り返されるゲームはポップな色彩とスピード感のあるメルヘンタッチなカメラワークでユニークにみせてくれる。まるで絵本の一ページをめくっているような、悪質でキュートで、そしてお互いの存在が元気の源となり、日々にうるおいを与えているが、それに気が付くには空回りばかり。

 それでも二人が接近しキスをし、愛を確かめあうシーンが何度かある。車の上でのキスはロマンティック、しかし大人になっていく度二人はすれ違い始めながら本当の愛に辿りついていく。究極でめんどくさくて、互いの存在がなければ穏やかな日々が過ごせるのかもしれない。しかし穏やかな日々って何?同じ事の繰り返しの日々、10年の時を隔てやっと気が付くのだ。

 面倒な事こそ愛おしくて、空回りや周り道こそ二人には必要な物だと。。壮大でキュートで愛おしい。そのラストもまた二人にしか理解できない世界である。しかしここまで誰かを愛し抜く事が出来る事は幸せな事だと思う。
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