亘

ライアー ライアーの亘のレビュー・感想・評価

ライアー ライアー(1997年製作の映画)
3.8
弁護士フレッチャーは嘘と話術で裁判に連勝中。しかし仕事人間で家庭を後回しにして妻とは離婚していた。ある日息子マックスのお願い「パパが嘘をつかなくなるように」が現実になりフレッチャーは敗訴の危機に陥る。

ジム・キャリーのための作品じゃないかというほどジム・キャリーの演技が楽しめる。彼の顔芸とドタバタ芸がどうしても目立ってしまうけれどもストーリーとしては(脚本に穴はあるけども)王道アメリカン・コメディで軽い雰囲気で楽しめる。といっても仕事か家庭か、嘘(とか法)は必ずしも正義かという深いテーマも扱っていたりして以外にも良作だと思う。

マックスのお願いのせいでフレッチャーは嘘をつけなくなってしまう。それまで気さくでひょうきんで人気者だった彼が気の利いたことを言えなくなって急に立場を失う。フレッチャーの場合は極端であるとしても普段の生活がいかに本音を隠したものかということを表しているのかもしれない。しかもフレッチャーにとっては嘘は"商売道具"で裁判ではタジタジ。彼が本音を封じ込めようと葛藤する様は滑稽だった。(ジム・キャリーが弁護士をやっている時点で笑ってしまうけど)

裁判では嘘をつけず、息子との約束は果たせそうになくフレッチャーは万事休す。そんな状況での彼の起死回生の発見とその後の息子との再会は、うまくいきすぎのは否めない。アメリカン・コメディらしいと言えばそうだけど、それでも入り込んでしまうのはジム・キャリーのオーバーな演技に引き付けられてきたからだと思う。そんなジム・キャリーの魔法を感じる作品だった。

印象に残ったシーン:フレッチャーが法律事務所の人たちに悪態をつきまくるシーン。フレッチャーが法廷で嘘をつこうと葛藤するシーン。勝訴の決め手を発見するシーン。飛行機に追いつこうとするシーン。
印象に残ったセリフ:先生「お父さんの仕事は?」マックス"Lier(嘘つき)" →弁護士は"Lawyer"
亘