スギノイチ

嵐の勇者たちのスギノイチのレビュー・感想・評価

嵐の勇者たち(1969年製作の映画)
3.0
アキラもルリ子も出ていない、全体的に少し若目のオールスターという感じ。
時代は日活末期だが、日活ニューアクションという訳でもない。
むしろ、60年代前半以前の日活ギャング映画に戻った様なテイストの作品だ。
そこに東宝のモダン要素が融合した結果、現実感の欠片も無い話が出来上がっている。
あまつさえ、登場人物達が劇中で歌いだすという日活映画のお家芸が炸裂。
69年にもなってこれは…

ただ、とにかくルックスの良い人達が画面を埋め尽くすので、終始見栄えはする。
演技力やリアリティはさておき、日活映画というのはその点に関して他社を寄せ付けない。
銃撃戦だボートだヘリだと、プログラムピクチャーにしては結構金も掛けているようだし、オールスター映画というのはこれでいいのかも。

その中でも、裕次郎と渡哲也の関係性はちょっと特別な感じで描かれている。
序盤のトイレでの無言の邂逅や、ボートのデッキで並んで馬鹿笑いするシーン。
吉永小百合演じるヒロインを選んだのがカモフラージュに思える程、渡哲也は裕次郎に夢中だ。
スギノイチ

スギノイチ