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トゥルーマン・ショーのGreenTのレビュー・感想・評価

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
2.5
トゥルーマン・バーバンクは、生まれたときからTVのセットの中で暮らしてきて、自分が『トゥルーマン・ショウ』というリアリティ・ショウのスターであることを知らないのだが、30歳の誕生日が近づいてくるにつれ、自分の人生は誰かに支配されているような気がしてくる・・・・。

トゥルーマンの生活を24/7放送しているというこのリアリティ番組、面白くなさそうだなあ〜。平凡なサラリーマンの単調な毎日をダラダラ垂れ流しされているのを見て面白いんだろうか?なんでこのプロデューサーのクリストフがすごい番組を作ったと絶賛されているという設定になっているのか、全く理解できない。

しかし、『トゥルーマン・ショウ』は全世界でリアルタイムで放送されていて、すごい人気の番組ってことになっている。日本でも放送されている!!

キリスト教的観点とか、メディアのヤラセ批判、「人生が人にコントロールされているかも」という、後に「トゥルーマン症候群」と名付けられた精神分析的な解釈などなど、すごい話題になった映画なのですが、個人的にはどの解釈もピンと来ません。

脚本の最初のドラフトでは、主人公のトゥルーマンが、「自分の人生は誰かに操られているのではないか?」って言うのが本当だった、っていうシンプルなスリラーだったらしいのですが、その後何度も書き換えが行われた脚本らしくって、「こういう視点も入れたらいいのでは?」ってこねくり回している内になんだかぼやけた感じになってしまったんじゃないかと思いました。

「望まれない妊娠」をした女性を探してきて、その要らない子供をTV局が買って、出産からずーっと追い続けるなんて、倫理的にもありえないし、巨大なセットの中で死ぬまで生活するなんてありえない。リアリティ・ショウを突き詰めたらこういうことになるよ、って言っているのかもしれないけど。

トゥルーマンの生活がリアリティ・ショウだって観客が知らないなら面白いかもしれないけど、全部わかっちゃっているのにトゥルーマンが逃げ出そうとするのを繰り返し見せられても面白くなくて、途中寝落ちしちゃった。

最後もなんかあっさり終わっちゃっていて、あれは「神に逆らった」ってことなの?それを視聴者は「イェーイ!」って応援しているけど、なんで?で、すぐ他の番組にチャンネルを変えてしまうというのは、視聴者は移り気って言いたいのかな?と、なんかメッセージがあるのかな?と思わせるけど実はなにもないのでは?という印象でした。
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