踊る猫

トゥルーマン・ショーの踊る猫のレビュー・感想・評価

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
3.7
誰もが思いつきそうなネタを、ここまで捻りの効いた作品に仕立てあげた監督と脚本家の手腕は見事と言う他ない。例えばトゥルーマンにとっての一日の始まりに備えてスタンバイして不動のまま立ち続けるエキストラの姿や、町から逃すまいと次々と妨害を仕掛けてくるその光景の凝り方がなかなか印象に残る。ストーリーテリングとしても過不足なく、特にオチのシーンは苦い皮肉を湛えていてそれが忘れ難い。難を言えばもう少し長くても良かったかなとは思うが(その間にシルヴィアとの恋愛シーンを書き込んで欲しかった)、瑕疵に過ぎない。二度目の鑑賞になるが、たまたま己自身が辛い時に観てしまったために苦難を乗り越えて町から脱出を図る主人公の姿に自分の姿をオーヴァーラップさせてしまった。
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