一人の人間を出生からひたすらカメラが追うノンフィクションドラマを放送する企画もの。監視社会をテーマに扱ったSF作品は多々あるが今作で扱われてるテーマでもある監視の檻の内部である自分中心の世界と危険に溢れた外部である現実の世界を通じてエゴの塊の若造から社会の荒波にのまれながら生きていく決意して自立する瞬間を「旅」として象徴する成長物語的構成に純粋に感動した。
ちなみに虚構の監視の檻の内側は安全だから主人公がそこから抜け出すことはないだろうとする考えは90年代のアメリカの都市で暴動や犯罪が多発するにあたって、当時著しく発展していた周辺の郊外住宅地をバーケード等で囲って住民の安全を確保するケースが多々あったらしくその時代背景も反映させてあるらしい。
主人公と番組制作者と番組視聴者の思惑を交互に交えさせて展開させていくあたり面白かった。
