トゥルーマン・ショーのレクのネタバレレビュー・内容・結末

偽りの世界で他者に決められた人生を何不自由なく暮らす。
果たしてこれを幸福と呼べるのか？
虚構も気付かなければ現実であるという見えない恐怖を訴えつつ、仮想現実からの脱却、広大な世界へと羽ばたくイニシエーション・ストーリーは胸を熱くする。

作品の出来は勿論のこと、別の点でもこの作品を評価しています。
それはネタバレを知っても楽しめる、つまり何度観ても楽しめる作品であるということ。
遅かれ早かれバレる設定や内容は本作の重要な部分ではなく、そこに込められたメッセージこそこの作品の重要なポイントだと思うのです。

‪昨今、SNSの普及に伴い、自らの情報を公に外部に晒すことが当たり前になってきています。‬
自分を犠牲に生きる我々に対する警鐘とも取れる部分が本作の肝ではないだろうか？
また誰かに敷かれたレールの上や閉鎖的な現状から抜け出したいと思う気持ちの現れは現代にも通ずるものだと思います。


ちなみにラストの私的見解として、情報源、娯楽などテレビメディアへの依存問題、その裏で操作している人がいるという恐怖。
どれだけ熱中していても、チャンネルを変えれば忘れ去られ、違う番組が見られるという安易な仕組みを人生の重みと対比しているのかなあと思っています。