Shelby

トゥルーマン・ショーのShelbyのレビュー・感想・評価

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
3.5
保険会社に勤めるトゥルーマン。実は彼の住む街はテレビショーで流されるための虚構で充ちた世界だった。それに気付いたトゥルーマンがこの世界から抜け出そうと画策するお話。

作り込まれた設定。よくこんな発想思いつくなぁ。つくづく映画を作る制作側の素晴らしさに感嘆する。そんでもってこれ、コメディチックなドラマなのに、一歩踏み込んで考えてみるとゾッとする話のようにも思える。

トゥルーマン・ショーを観る外の世界の人々。あくまでも「観客」であり、彼の人生を只々傍観するだけ。彼を救い出そうとはしない。
30年に渡り放映されている人気長寿番組なのだから、勿論観客達に罪の意識は一切ない。

だって、〝テレビショー〟なんだから。

トゥルーマンが世界を去った後、全てを見終わった警備員は徐ろにチャンネルを変え始める。
次の〝面白いもの〟を探すために。
そうやって、テレビは標的を変えて、移ろい続ける。テレビで生きる者達は、私たちが知りえない苦痛を受けているのだろうか。今作でのトゥルーマンのように。

こんなに作り込まれた世界に、私だったら気づくだろうか?そして、実は私を取り巻く世界でも起きているのではなかろうか?
そんな錯覚を起こさせるこの作品はある意味印象に残る映画だった。
Shelby

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