とたけけ

トゥルーマン・ショーのとたけけのネタバレレビュー・内容・結末

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

コミカルでストーリー展開も気になり面白い。
が、同時に後味の悪さも感じてしまった。

個人的な話になるが、私が映画を観る理由の一つに「カタルシスを得る」がある。そのカタルシスは登場人物の悲劇や困難を乗り越えた局面で発生することが多く、つまり生け贄となる主人公達の犠牲を肴に観客の自分は泣いたり笑ったり感情の赴くままに楽しんでるなあと思うことがある。

いつもはストーリーに夢中になってるのであまり気にせず楽しめてるが、このトゥルーマンのリアリティーショー内の観客達がテレビに釘付けで喜び悲しむ様を見て「すっごい悪趣味。胸糞」と感じ、それがそのまま普段の映画を楽しんでる私とも重なり自己嫌悪的な感覚が生まれてしまい、素直にトゥルーマンのエンディングを喜べなかった。

トゥルーマンに感情移入していればスッキリ快感を得られたのだろうか…彼に感情移入するのはモブ歴の長い私には難しいように感じる。

あと疑問に感じたシーン、ラスト付近で製作トップの人がトゥルーマンの脱走に怒って殺してしまうのではないかってくらいトゥルーマンを追いつめるのだけど、そこまでする理由がいまいちピンと来なかった。彼が劇的なシーンを撮ることを重要視しているだろうことはわかる。製作者の鑑的な価値観を表しているように見えるけど、その情熱の根源がどこにあるのか想像がつかず30年も続けてたのに続けることには意義を見いだしていなかったのかなあと。
終わりはあっけなかった。感動的なラストシナリオをいくつか用意してるタイプかと思ってたけどそんなこともなさそうでよくわからなくなってしまった。
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