mikioart

キャリーのmikioartのネタバレレビュー・内容・結末

キャリー(1976年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

スティーヴンキングの処女作品の映画化。サイキック能力を眠らせたキャリーが、イジメと狂信者の母親、そして初潮をきっかけに力に目覚める、といった内容。

キャストが原作のイメージ通りで良かった。シシースペイセクは小説のような醜い少女ではないけど、怯えて自信の無い不安定な少女を良く演じていたと思う。スーやトミーの優等生カップル、母親の狂信者っぷりや、ビッチのクリスまで自分の想像に近かった。ただ不良少年役のジョントラボルタはただの軽薄なイケメンで、かなり違和感あり。たいていキング小説の不良はもっと危険で、飛び出しナイフを隠し持つ様なやばい奴。演出をもっと原作に近づけて欲しかった。

イジメられることからくる寂しさや屈辱感、母親の折檻からくるストレスなどの描写は原作に比べるとかなり弱いなという印象。逆にプロムでのキャリーの幸福感は映像の方が良く伝わった。ただ悲劇の舞台がプロム会場だけで、街全体へ広がっていかないので、やはりキャリーの怒りもスケールダウンしてしまった印象。

ラストシーンにはかなりびっくりしたし、ホラー映画のお約束としてある程度は理解する。ただ、そもそも一人の少女の悲劇を描いた映画であるので、穏やかなエンディングの方が余韻を残して良い作品になったと思う。
mikioart

mikioart