スワヒリ亭こゆう

萌の朱雀のスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

萌の朱雀(1997年製作の映画)
3.0
河瀨直美監督の長編デビュー作で史上最年少にてカンヌ映画祭カメラドール受賞作品です。
本作は國村隼さん、尾野真千子さんも出ていて本作が尾野真千子さんのデビュー作なんですね。


監督も奈良出身で奈良で撮影した作品です。
村の過疎化と少女の淡い恋を描いてる作品ですね。

奈良の山奥の村で撮影しているだけあって、めちゃくちゃ映像の美しさは際立ってます。
光の捉え方も美しくて風景だけで90分強持つくらい綺麗です。
ですが、ストーリーは薄い。字でいうと【うぅすぅぃぃ…ぃ】


台詞が少ないので何が起きたのか分かりにくい。
家族構成から分かりにくくて、映画の序盤にお兄ちゃんと妹が出てきたのかなぁと思ったら、お兄ちゃんの方がお母さんに対して「お姉ちゃん」と言っているから、どういう事🤔って思ったら正しくはお兄ちゃんの方はいなくなったお父さん(國村隼)の姉の子供なんですね。
で、後に尾野真千子になる妹とは兄弟の様に育つけど、実際は従兄妹の関係性なんです。

兄弟が大人になって恋心がそれぞれに芽生えるんですが、そこをキチンと整理しないと兄妹で恋愛?って勘違いしそうになる。

それともっと大事なのがお父さん(國村隼)が急にいなくなって夜に家族が警察から電話があって駆けつけるんです。
その後、家族は憔悴した表情を見せるんです。
で、電話がかかってきたシーンなんですけど、お兄ちゃん(大人になった)が電話に出るんですけど、よく聞こえないんです。
ハッキリとお父さんが死んだっていう情報がないんです。死んだっていうのも僕が後であらすじを見て「やっぱり死んだのか?」って思ったんであって映画では語られないし、葬儀のシーンも無い亡骸と会うシーンも無い。
唯一、おばあさんが縁側に座ってる時に仏壇の蝋燭に火がついていたんです。
それで死んだのか?って思ったんです。それまではお父さんは何か事件を起こして逮捕されたのか?とも思いました。
死んだんなら警察に向かう理由も分かりにくいし、病院に行った方が分かりやすいですよね。
セリフで説明したくないのなら、説明無くても分かるようにしないとダメですね。

カンヌ映画祭で評価されたのは、恐らくはこの分かりにくくて、台詞が少ない映画を字幕でちゃんと説明したのかもしれませんね。


台詞が極端に少なくて分かりにくいはずなのに観れる理由は景観と尾野真千子さんの可愛さですね。
尾野真千子さん大好きなんですよ。
ホントにこの人の顔が可愛くてね😍
デビュー作なのにこんな難しい映画で結果出すって凄い事だと思います。