停滞

萌の朱雀の停滞のレビュー・感想・評価

萌の朱雀(1997年製作の映画)
4.1
詩的で素晴らしい映像美。
子どもたちがワーワー遊ぶシーンは写真に収められていそうなみずみずしさに溢れている。そして、娘と息子の淡い恋心や緑深く美しい里山の風景も含め、青春や新緑の若さを思わせる。また中でも傾斜した畑みたいなところは「この世界の片隅に」に影響を与えているかもしれない。

起承転結がきちんと組まれた物語では間が持たなそうな長回しや大胆なシーンの省略が、観る側に解釈の余地を与え逆に情感をこれでもかと引き出して一つの叙情詩が静かに紡がれる。
また長回しに加え動きの少ないカメラの動きでどんと構え家族が離散していく不条理を捉える様は朱雀の「神様」の視点を感じさせる。

なんかもうよくわかんないけど、これが初期作品だってんだからすごすぎる。
停滞

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