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バンド・ワゴンのsensatismのレビュー・感想・評価

バンド・ワゴン(1953年製作の映画)
4.1
2020/134
最近思うことは、映画は結局娯楽としてたのしめないと反復できないなってことだな。
芸術的な側面は程度や趣味の差はあれどどの作品にも付随していて、それで社会性っていうのは時代性でもあって、どれだけその時代を象徴して語ることができるかってことだからこれも必然的で自然な要素になるけど、娯楽性っていうのは完全に作り手次第でそこに作品の個性があらわれでるから唯一性もうまれるのだろうな。
娯楽に偏った作品ははっきりいってしまうと下品で低俗だと無知のわたしは思っていたけど、『バンド・ワゴン』をみて考え抜かれた娯楽性ってものがあることを知ったし、エンターテイメントって言葉自体を鼻で笑っていたけどエンターテイメントって分野の芸術が存在することも知った。
MGMの黄金時代に輩出された作品たちは今後永く愛しつづけていくだろうってことを確信したな。
衣装と舞台芸術と撮り方がどれも最高。

娯楽は物語ではないから語れることが少ない。
この映像のこの動きとカメラワークがすごくてってシーンは沢山あったけど、それは事実だから説明するよりも見るほうが早いし確実。ただのメモになる。

YouTubeで好きな場面を保存してひたすら見返すんだ。それで、この作品をオマージュしている『la la land』やらマイケル・ジャクソンのsmooth criminalのMVを見返したりするんだ。たのしいな。

smooth criminalの元ネタになったThe Girl Hunt Balletではシド・チャリシーの危険で妖艶な美しさと馬のように(!)美しい脚が終始目立ちますが、彼女の脚には500万ドルの保険金が掛けられたという逸話をきいてそうだよなあと唸った。

「感動、刺激、娯楽
つまりそれが舞台」

「女房に言ってくれ
俺はタヒチで絵を描いてくると」

「確かに壁があったわ
でも もう消えたの
愛してるわ 私たちは一緒よ
ショーはロングランね
そして私は 永遠にロングランよ」

この愛の告白さいこ〜
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