イガラー

バンド・ワゴンのイガラーのレビュー・感想・評価

バンド・ワゴン(1953年製作の映画)
5.0
再見
フレッドアステア扮するトニーハンターはダンサー界の化石と言われ、時代遅れの落ち目という役所
その時代に取り残された人間がもう一度舞台に立って脚光を浴びるという再生の物語であり、生命力を感じずにはいられない
それは中盤のアステアと若い俳優たちによるビールの歌に全てが表されている
冒頭は列車の中で時代遅れだと揶揄されるが、フィラデルフィアなどの地方営業のミュージカルシーンの間に挿入されるカットは列車のカットであり、打ち合わせをする空間は列車内、その反復と差異、再び舞台に上がるという再生を描いている
53年の作品で言わばミュージカル黄金期、撮影所内の豪華なセット、スターにあてられる大量の照明、映画が娯楽の中心であった時代の最高峰、無敵、最強の映画
これを映画と言わないで何を映画と言おうか
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