YasujiOshiba

バンド・ワゴンのYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

バンド・ワゴン(1953年製作の映画)
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なぎちゃんとアマプラ。録画もしてあったのだけど、随分前のものだったので、配信で。いやはや、最高だ。楽しかった。

『雨に唄えば』(1952)がサイレントへのグッドバイだったように、この映画もいわば決別の映画。アステア自らが「トップ・ハットに燕尾服」というスタイルへの決別を演じるという内容に胸がキュンとくる。そしてもちろん、あの有名な「ザッツ・エンタテインメント」が歌われるともう最初から(まだ早すぎるのだけど)泣くしかない。

それからシド・チャリシー(発音はシド・シャリッス)の足がながい。バレエで見栄えするだけじゃなくて、アステアが引け目を感じるほどのその「美脚」の押し出しの強さで、しかも、踊るんだぜ、面白くないわけがないじゃない。

アヴァ・ガードナーのカメオ出演が、なんだか時代を感じさせるんだけど、それじたいがもうフェアウエルになってしまった時代で、色あせずに消えゆくものの艶を残してくれる名作。堪能しました。
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