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チャップリンの殺人狂時代のsonozyのレビュー・感想・評価

チャップリンの殺人狂時代(1947年製作の映画)
3.5
1947年。製作・監督・脚本・主演:チャールズ・チャップリン
1920年代のフランスに実在した、10人の女性と1人の少年を殺害したという殺人鬼アンリ・デジレ・ランドリューをモデルにしたお話。

1942年にオーソン・ウェルズが脚本を書きチャップリンに主演を依頼したが実現せず、その後チャップリンが別の企画として映画化するため、原案にオーソン・ウェルズのクレジットを入れたという経緯の作品。

30年以上勤めた銀行を不況でリストラされたアンリ・ヴェルドゥ(チャップリン)は、裕福な中高年女性をそそのかしたり、他重婚し、預金を解約させたのちに殺害し、奪った金を株に投資して生活費に充てていた・・・

そんな中、刑務所から保釈されたばかりの身寄りのない若い女性を救うアンリ。

やがて、世界恐慌により破産し無一文となったアンリは、その女性が軍需会社の社長の妻として裕福になった姿と出会う。
最後は自ら逮捕される道を選び、死刑判決を受け入れるアンリ。

そして、ラストは、中国の戦国時代の思想家・墨子による非戦論「一人の殺害は犯罪者を生み、百万の殺害は英雄を生む。数が(殺人を)神聖化する。」と、戦争や独裁政治の愚かさを訴え、単なる殺人鬼の再現物語にはせず、チャップリンならではのメッセージを込めた作品になってます。

本題とは関係ありませんが、時々カメラ目線になるチャップリンが気になった作品でもあります。笑;
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