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チャップリンの殺人狂時代のZUSHIOのレビュー・感想・評価

チャップリンの殺人狂時代(1947年製作の映画)
4.2
「一人の殺害は犯罪者を生み、百万の殺害は英雄を生む」
連続殺人者を演じているのに、チャップリンの品の良さが嫌らしさを感じさせるどころか、感情移入までさせてしまうのはさすが。
『独裁者』同様、ラストに演説でテーマをストレートに語るのだが、それもそれまでのドラマに感情移入しているから説教臭くは感じさせない。
ヒトラーやムッソリーニの実映像を使うなど、当時の「殺人狂」に陥っていた(邦題だけど)人類への痛切なメッセージのようであった。

これだけ素晴らしい映画にもかかわらず、戦後当時のアメリカの時代背景によって興収的には振るわず、さらに赤狩りの影響で国外追放の憂き目にまであってしまうとは…「自由の国」アメリカというのも、常にそうでなかったことも痛感させられた(もうとっくに自由の国ではないか…)。
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