小人プロレス

夕なぎの小人プロレスのレビュー・感想・評価

夕なぎ(1968年製作の映画)
4.5
「死神」リチャード・バートンが着物をまとい刀を持ち歩いているのは、おそらく死を見届ける「介錯人」としての正装(日本人にしか分からない目配せだと思う)。シナリオがテネシー・ウィリアムズなのでエリザベス・テイラーの役どころは狂った母親もしくは老いた男性としても読み取れる。テネシー・ウィリアムズの真っ直ぐな物語とエリザベス・テイラーの悪趣味な一人芝居、その食い合わせの悪さを修正するのではなくジョセフ・ロージーは更に大仰にこってりと描き、それなりのドラマから「グロテスク」な傑作へと変異させている。夜の不穏さ、犬を放つ小人、歪な屋敷。エリザベス・テイラーの咳が止まらなくなるくだり、ヤバいよ。