木星の惑星X星人から、キングギドラが暴れて困っている。
ついてはキングギドラ対策に、ラドンとゴジラを連れてきてもらえないだろうか。
お礼にガンを治す薬をあげる、との話が持ち上がるが、実はこれは地球の植民地化作戦の始まりだった。
シリーズ6作目。
大体の内容はどこかで何となく見聞しているが、観たのは初めて。
『モスラ対ゴジラ』『三大怪獣 地球最大の決戦』と観てきたが、これらと世界観を共有した続編になっているので、ちょうどいい順番になった。
冒頭からX星人という、現実を完全に突き抜けた存在が現れ、オイオイと突っ込む間に話が次々進む。
この作品は怪獣映画と侵略宇宙SFを融合させた作品で、怪獣同士の戦いと言うより、侵略宇宙人と人間との攻防がメインドラマになっています。
また、初代ゴジラ以来の登場人物の恋愛要素を絡めた作品で、メイン人物のグレンと、X星人の波川との恋愛も物語の重要なキーになってます。
しかし、怪獣映画としての魅力は前作にちょっと劣る。
ゴジラが悪乗りして「シェー!」のポーズをとるところとか、ラドンが暴れるシーンでは、別作の「ラドン」からの使い回しとか、やっぱりますます軽く安っぽくなっている。
キングギドラも、ゴジラとラドンに開始5分でフルボッコにされるなど、余りに弱すぎて「自称」最強状態な情けないことになってるし。
そりゃX星人も地球怪獣が欲しくなるわけだ。
何だろうこの可哀想な扱いは…。
そして地球が大ピンチに陥っているのに、今回一切助太刀しないモスラ。
誰一人モスラの存在を口にしないのは違和感があった。
ゴジラとラドンが協力してキングギドラと戦ったり、地球人が叡智を結集して宇宙人を撃退するくだりはたしかにいいのだが、前作にいたモスラが抜けているせいか、どうしても物足りなさを感じてしまう。
まぁ、X星人の撃退シーン~ゴジラ&ラドンがキングギドラに反撃の辺りは、カッコ良い音楽も相まって少し爽快ではあったが。
あと、ゴジラがラドンを叩き起こすシーンなんか何気に大好きです。
「いつまで寝てんだよ(`Δ´)」…みたいな。
あの二匹、何気に仲良しだから見ていてほんわかします。
コンビネーションも抜群。
ゴジラを持ち上げたラドンが、キングギドラに体当たりするのはこの映画の名シーンです。
ゴジラが脇役になってしまって不完全燃焼ではありますが、レトロな特撮がたくさんあって味わいのある映画ではありました。