本でしか知らなかった内容をようやくアマプラで鑑賞できた。ドキュメンタリー色の強いシーン(扉絵になっている,婚約者を追うピーナが路上で撃ち殺されるのをロングのズームで写したところなど)はあるが,ユーモア,愛,退廃,残酷描写など,どちらかというと70年代以後のイタリア映画ぽい要素を交え,時に長回しで,時に短いカットで入れ込んでくる,正統ドラマの作品。ローマ解放直後から撮影を始め,翌年には誕生した。才能はもちろん,エネルギーと幸運に恵まれなければできることではない。戦時中に取り始めていた映画は結局没になったが,一部のシーンは使われたそうである。