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無理心中日本の夏のマダムのレビュー・感想・評価

無理心中日本の夏(1967年製作の映画)
3.0
昔の直木賞は「分かっていて書いた小説」、芥川賞は「分からないから、分かろうとして書いた何か」が受賞の対象であった。この方程式を作品に当てはめると、昔の芥川賞っぽいなあというのが第一の感想。

60年代後半の微熱のような熱気、とりあえず何かに猛烈に反抗したいという疼き、癒えることのない渇きといった時代の空気はあった。
白人ライフル魔の「20歳です」というセリフが一種の答えになるのだろうか。人殺しに意味などなく、ただ単に魔の季節だっただけだ。
そんな中で17歳高校生役の田村正和のまっすぐさが光る。まあ、まっすぐっつっても「ライフルで人を撃ってみてえ!」という間違ったまっすぐさなんだけど。でもこのライフルマニアの高校生に一番共感する。
いてもいなくてもいい存在、フーテンネジ子の天真爛漫さも良かった。
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