レオン

3時10分、決断のときのレオンのレビュー・感想・評価

3時10分、決断のとき(2007年製作の映画)
4.0
見逃していた、高評価作品。(★平均3.9)
映画は "役者" で決まる! まさにそれを再確認した作品。 クロウ VS ベイル の圧巻の演技対決。物語はありきたりの筋だが、唯一違うのが、悪党が正義漢に惚れてしまうこと。

その難しい役をクロウが、さらに別要素を加味して演じている。 残忍な悪党だが、利口かつ本物の "漢" を見抜く目を持っている。 余裕のふてぶてしいさを放っていても、ベイルのどこか信念を感じる態度に興味を持ち、いつでも殺せる状況にありながら、逆に助けようとする。

この心情の奥底を、クロウは少ない台詞と、わずかな目の表情だけで、見る者を引き込むほど見事に演じている。
これが下手な役者だと、立場と行動が逆で違和感を感じるはず。 このクロウの堂の入った名演が、アカデミー主演男優に "ノミネート" さえ、されてないのが全く不思議。

ベイルも素晴らしい。 苦境にさらされる立場にありながら、これだけは譲れないという 信念 をその控えめな演技で表している。
今作が早い展開の物語でもないのに、ずっと引き込むのは、この主演二人の心情が見る者に、常に伝わっているからだ。

さらにベイル長男役の ローガン・ラーマン という少年もすごい。 私は視聴中ずっと、彼はこういう目の鋭い顔だと思っていたが、彼をググって普段の顔を見てビックリ! 別人に見えるぐらいあどけない顔もしてる。 すなわち作中ずっと目を凝らしめて、あのシリアスな役を演じきっているのだ。 いや~感心した。(後に、「パーシージャクソン・・」や「フューリー」にも出演を知る)

たった二人しか登場しない女優さんも、二人とも芯の強さを表現出来る美人さんだし、他の脇役も皆、その役に適した容姿を持つ者が起用されていて、違和感を醸すような登場人物が一人もいない。 (貫禄ある保安官や、エキストラ老人さえ) 要するにキャスティングが、完璧だという事。 

役者の事しか書いていませんが、久々の西部劇でのお勧め作品です♪

私が洋画中心に映画を見るのは、今作の様な圧巻演技が出来る役者が、今の日本映画界では少なく感じるから。 (昭和時代はもっと、目の留まる方が沢山いたんだがな~・・・) 
レオン

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