Shun

時をかける少女のShunのレビュー・感想・評価

時をかける少女(1983年製作の映画)
3.7
瀬戸内海出身には必修の尾道三部作
本作は2作目であり、その中でも1番有名な作品です
大林作品の良くも悪くも癖が強いです


女子高校生の和子は幼なじみの吾朗と深町と理科室の掃除をしていた
和子が誰もいないはずの実験室に入ると、白い煙が漂っていて、それを吸い込んだ和子は意識を失う
その後、和子は同じ日を繰り返す不思議な経験をするようになる


・そもそも、尾道三部作とは
尾道三部作とは、大林宣彦監督の出身地である広島県尾道市が舞台に同時期に撮影された三本の映画のことです
「転校生(82)」「時をかける少女(83)」「さびしんぼう(85)」
これらは、舞台が同じであるだけでなく、SFファンタジー作品であること、学生の青春映画であることが特徴としてあげられます

また、後に尾道でとられた三本の映画は「新尾道三部作」と呼ばれるそうで、ノーチェックだったのでまた観ようと思います

また、大林宣彦の作品には「生きてるか死んでるかわからない存在」がしばしば登場します
これは戦争によって近所の親しかった人々が亡くなった経験から、幼少期に感じた死者の気配が映画づくりに繋がったとのことです(wiki調べ)

このような背景があって、悲しげで切ないノスタルジックな作品が生まれるのでしょう
涙を狙いにいってる感じが無いのがとてもいいなと思います


・大林版 時をかける少女
時をかける少女(時かけ)は映画、ドラマ、アニメで何度も繰り返し作られている作品です
すべての作品を合わせると8つの時かけがあるみたいです
映画は計4本ありますが、全ての映像作品の中で最初の作品が大林宣彦の時かけです

僕はアニメ版しか見たことがありませんでした
設定以外はストーリーも時代も全然ちがうので全く別の映画でした

アニメ版時かけは、ストーリーがとても綺麗に構成されてましたが、大林版はストーリーが少しごちゃごちゃしてました
また、役者も構成も時代を感じるものがあり、セリフとかも古くさく、感情移入がしづらかったです

有名作品ですが、映画としての癖は相当あると思うので、観る人は要注意かなと思います


タイル小路や向島、尾道の景色はほんとに美しくて最高でした
昔、僕の父が尾道旅行で入ったカフェに大林宣彦監督らしき人物が居たようです
ほんとに尾道のことと映画のことをこよなく愛してる監督であったんだなと思いました
Shun

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