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時をかける少女のHKのレビュー・感想・評価

時をかける少女(1983年製作の映画)
3.3
筒井康隆原作のSF小説を角川が映画化。監督は「ハウス」「ねらわれた学園」などの大林宣彦

大林宣彦監督のトリップ感を出す独特な演出、あのほわわわわ~んっていうSEからの家が揺れるところ、人形のドアップ。そして所々に入る巻き戻し演出。タイムスリップなどの表現を独自の切り貼りしたような背景で魅せたりする。一見チープかもしれないが、独特の味を出そうとしている努力が垣間見れる。大林監督が紡ぎだす独特な台詞回しも印象的。

だがしかし、僕にはまだわからぬ。この人のすごみが。ハウスとか異人たちとの夏でも見ればわかるのか?それとも筒井康隆のこの作品が肌に合わないのか?角川の青春映画路線に移ってからの作品があんまり好きじゃないからか?原田知世が近くで見ればそんなに可愛く見れないからか?それとも恋愛と無縁な高校生活を送ってしまったせいなのか?

いずれにせよ、大林さんらしい演出が光りながら、あんまり好きな作品とはもろ手を挙げて言えない映画であった。

これじゃあ、細田版を見たとしても同じ結果になるのかも知れぬ。2010年にリブートした映画を見ても同じ結果になるかもしれぬ。

ねらわれた学園でも見れた大林監督の独特且つ80年代のポップな学園生活をそのまま実写にしたような光景は見ていても当時の学生の雰囲気が分かり勉強になるかもしれない。

最後の終わり方も角川版は再会するけど、こっちはすれ違うから、そういう切ない終わりの方が好きな自分にとってもこの作品の良いポイントなのだろうか。
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