Itsu

グッドナイト&グッドラックのItsuのレビュー・感想・評価

3.5


講義の一環で観ましたが、退屈はしませんでした。

時は冷戦下、過剰なまでの反共産主義を掲げていたアメリカで、上院議員マッカーシーの告発によっていわゆる〝赤狩り〟が始まる。これはマッカーシズムと呼ばれ、アメリカのヒステリックさを象徴する出来事でもある。誰もが赤狩りの対象となることを恐れ、テレビ局までもがマッカーシズムに対する批判的報道を避けたが、CBSは違った。根拠もないまま共産主義者をでっち上げ、社会的に殺してゆくマッカーシーに対し、CBSのジャーナリストであるマローは危険を顧みず国民に真実を伝える。

アメリカの闇が伺える映画です。あの国の怖さは計り知れない。実際にあった話ですから、ストーリー自体が面白いかと言われればなんとも言えませんが、映画としては非常に上品に作られています。実話ですから、マッカーシーは当時の映像を使うことでよりリアリティを出し、映像は全て白黒。観る人によっては退屈かもしれませんが、スムースな映画だったように思います。白黒映像の中で流れるジャズ、そんなに吸ったら死ぬだろと思ってしまうほどタバコを吸う男たち…。オシャレを極めた映画でした。

冷戦下アメリカをかじってみるには分かりやすくて楽しめる映画だと思います。おすすめです。
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