slow

グッドナイト&グッドラックのslowのレビュー・感想・評価

4.0
1950年代アメリカでは、赤狩りという共産主義者を排除しようとする時代の流れがあった。本作は、それを主導していたマッカーシー上院議員の権力に屈せず異を唱えた、ジャーナリストにしてテレビマンのエドワード・R・マローとそのスタッフらの物語。

シドニー・ルメットにかなり影響を受けているであろうジョージ・クルーニー監督のテレビ局を舞台にした社会派作品。このような硬派な物語に入り込む際に、役者の存在感と演技力は必要不可欠。そういう意味ではデヴィッド・ストラザーンは素晴らしかった。物静かでありながら、硬質な信念の塊のような表情と語り口。モノクロのJAZZに漂う煙草の煙が男のオーラのようにも見え、雰囲気もたっぷり。役者ジョージ・クルーニーも控え目な演技で脇に徹し、ロバート・ダウニー・Jr.もしっかりダウニーダウニーしていた。

赤狩りと戦った映画で印象に残っているのは『トランボ〜』。こちらと併せて鑑賞してみるのも面白い。現代ではメディアが叩かれることも多いけれど、このような映画を観るとその精神に感心する。
slow

slow