ヴぇる

グッドナイト&グッドラックのヴぇるのレビュー・感想・評価

4.3
まず最初に言いたい事は今作が広く認知されておらず評価もそこまで高くない事、これ自体が今作が危惧し懸念していた自体なのだと感じざるを得なかった。

今作は報道と敵との戦いだが、政治的パフォーマンスや妨害工作は一切ない。ただ言葉による応酬であり、その全てが的を得ている。
シックな雰囲気な中クレバーな言葉選びと共に伝えるべき信念を貫き戦う魂の感じとれる傑作だ。特質すべきは3月9日の放送内での言葉の数々だろう。淡々と訴える一言一言の重みは他に類を見ない。

欠点らしい所は一切なく、92分という社会派作品としては短いが美しさすら感じるほどにまとまっている。加えて映像技術はなめらかに陰と陽を映し出している。

また、フィクション部分はほとんどなく実話と言っていいレベルだろう。実際の映像もありこの物語の奥行を感じる。

社会派モノの映画としては非常に優れており見事な作品だ。願わくば今作が1人でも多くの人に周知されることを期待している。
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