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スター誕生のmasatのレビュー・感想・評価

スター誕生(1976年製作の映画)
1.5
巧く行かないものだ。
主役二人は、シンガーとしてのスター選手であるから、プロデューサーにとっては好機!いや、それ以前に、題材と主役二人の掛け合わせにおいて好企画。アカデミー賞もレコード売り上げも、全部頂く!とばかりに挑んだものの、全般的に精彩を欠く。
曲も、テーマ曲以外は、パッとしないので、PVとしても成立していない。

撮影の重鎮ロバート・サーティーズも、『ベンハー』(59)『コレクター』(64)はもとより、『卒業』(67)『おもいでの夏』(71)『ラスト・ショー』(71)と、新旧取り混ぜても、その妙味は期待せずにはいられないが、肩透かしでしかない。

それでも、どことなく印象に残ったのは、アメリカン・ニューシネマの残穢を感じたからだろうか?
折り合いの悪い二人も、仲が悪いなりにやぶれかぶれで演じている。その空回りの二大スターのパワーが、2時間20分も続き、観ているこちらは根負けする。ラストシーンにおけるラストカットは、亡き恋人への追悼の歌。それをワンカットで、フルコーラスで映し出すのである、根負けするのである。
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