みおこし

スター誕生のみおこしのレビュー・感想・評価

スター誕生(1976年製作の映画)
3.4
『スター誕生』全4バージョンすべて観てみよう企画、ラストを飾るのは1976年版。主演はバーブラ・ストライサンドと、同じく有名なカントリー歌手であるクリス・クリストファーソン。あらすじは割愛しますが、本作より映画業界から音楽業界に設定変更。観る限り、ブラッドリー版は本作の影響を特に受けている印象でした。

なんと言っても、当時社会現象になったというサントラ盤。バーブラの美声があまりに素晴らしすぎて、どの曲のパフォーマンスも聴き入ってしまいました。特に最も有名な"Evergreen"は感涙もの。今まさにブームのブラッドリー版のリードトラックである"Shallow"と同じデュエット曲なのですが、この曲もとにかく圧巻です。2人がこの曲をレコーディングする場面がハイライトといっても過言ではないほど。

個人的には、クリス・クリストファーソン扮するノーマンにあまり共感できず...。冒頭からひたすら暴れるのですが、もう救いようのない自己中ぶりなので、逆にいつまでも良心的に接するエスターの心理が分かりませんでした。スターダムをのし上がるきっかけを与えてくれた存在なのは間違いないのだろうけれど...。特にバイクでステージを駆け回ってモノを壊しまくる某シーンは本当に開いた口が塞がらないというか、まったくもって彼の味方にならなくなった瞬間でした(笑)。
だからこそラブシーンがたくさんあっても、いまいち2人の間に愛が本当に芽生えたのが伝わって来ず...。
ブラッドリー・クーパー、ジェームズ・メイソン、フレデリック・マーチがそれぞれ本当に素敵だったので、ちょっぴり本作は物足りなく感じてしまいました。

とはいえ音楽はとにかく最高だし、ラストもやっぱり2人の互いを思うゆえの愛情にウルウル。時代ごとに形を変えて愛される普遍的なテーマと、心にズシンと来る物語。4作品ともコンプリートして良かったです!
みおこし

みおこし