宇宙大怪獣ドゴラの作品情報・感想・評価

「宇宙大怪獣ドゴラ」に投稿された感想・評価

menoki

menokiの感想・評価

2.0
タイトルが「宇宙大怪獣ドゴラ」なのに何故かショボい刑事ドラマに重点を置いて、肝心のドゴラがほとんど登場しないといった意味不明な作品。

あらすじ

宝石が謎の生物によって奪われるという事件が多発した。
それは、炭素を主食とする宇宙怪獣・ドゴラの仕業であった。

エネルギー源が炭素である為に炭鉱や貴金属店を襲撃する宇宙怪獣ドゴラとドゴラ同様にダイヤモンドを狙う宝石強盗団、そして宝石強盗団を追う刑事とダイヤGメンが絡んでくる筋立てになっている。

東宝の怪獣映画としては珍しく怪獣ドラマと犯罪ドラマをミックスさせたものとなっており非常に意欲的ではあるのだが、残念ながら双方が全く絡み合っておらず繋がりもかなり薄い。

普通の怪獣映画ならばドゴラに重点に置き、宝石強盗団や刑事などの攻防や絡みをきっかけにドゴラを倒すヒントを導き出し、結果的にドゴラを撃退するといった流れにする。
しかし本作の場合は、何故かドゴラではなく宝石強盗団に重点が置いており、ドゴラと軍の攻防がきっかけで宝石強盗団を撃退する流れになっている。

何だそれ?
仮にもタイトルにドゴラと付いているのであれば宝石強盗団に重点を置くのではなく、ドゴラに重点を置くべきじゃないのか??

怪獣に関しては、宇宙怪獣に相応しいドゴラの素晴らしいデザインや伊福部昭の幽霊が出てきそうなBGM、そして地上にある物質を吸い上げるシーンとそれらデザインとBGMの見事なシンクロなど素晴らしい部分が存在する。

対して宝石強盗団に関しては、天本英世や若林映子など個性的で魅力的な役者が多いのだが、残念ながら役者の持つ魅力を全く活かしきれておらず、キャラクターも特に立っていない。
刑事との攻防もショボくお互い威嚇射撃をしている様にしか思えないし、本気で刑事を殺す気があるのかと疑ってしまうほど酷い。

刑事を殺す為に仕掛けたダイナマイトも爆発まで有余ありすぎだし、オマケにかなり窓ガラスの近くで爆発したのにガラスにヒビ一つ入らないくらい威力が弱い。
本気で本気で殺す気あるのか?
あの威力なら人間はおろか、ヒヨコすらも殺せないんじゃないか・・・。
まあ、これらを差し引いても単純に刑事ドラマとしてつまらないんだけど・・・。

こんな糞な刑事ドラマに全体て80分の内70分近く使い、肝心の怪獣ドラマを10分くらいしか使えないのなら、いっその事刑事ドラマを外した方が良かったのではないだろうか・・・。

正直、怪獣に関しては不満に思う部分が少なく、良い点の方が遥かに多く見られたし・・・。

一応不満を言うならば、ドゴラの撃退方法を何も伏線も張らず唐突に判明してしまう事だろうか。
こういった単独怪獣映画の場合、怪獣を撃退する為に何かしらの伏線が張られているのは当然だろうし、そちらの方がストーリーに重みが増すと思う。
しかし、本作の場合は何の前触れも伏線もなく記者が、

記者「博士!ドゴラは地蜂の巣の周りには寄らないみたいです!」

博士「ドゴラの弱点は地蜂だ!」

といった感じにドゴラの弱点が判明してしまう。
いやー、流石に唐突に過ぎだろ!!
別に地蜂が弱点という事に関してはそこまでダメとは思わないが、何の前触れもなくいきなり地蜂が弱点と判明しても全然納得出来ない人の方が多いんじゃないか?

どうせだったら物語上で刑事に何かしら地蜂を絡めるようにした方が良かったのではないだろうか・・・。

刑事が家で地蜂を飼っているような設定して、物語の中盤辺りで刑事と宝石強盗団の一部との攻防中にドゴラが出現し、宝石強盗団のみドゴラに襲われる様にする(ここではあくまで宝石強盗団が宝石を持っていたから襲われたように見せかける)。

そして物語が終盤に差し掛かる辺りに、あえて刑事にも宝石を持たせた状態で宝石強盗団と戦闘を行う。

戦闘中、刑事がピンチに陥った所で再びドゴラが出現。

一旦は刑事を襲おうとするが途中で動きを止め、目標を宝石強盗団に定め宝石強盗団のみを襲わせる。

これらの攻防からドゴラは地蜂が苦手という結論になり、結果どんな攻撃も食らわないドゴラの撃退に成功する。

このようにすれば、刑事や宝石強盗団も活きるし、ドゴラの登場時間も必然的に増える事になる。
また、伏線等も効いているので説得力が増し、カタルシスを感じやすくなるのではないだろうか・・・。

後は、せっかく素晴らしいデザインをしているのだがら、途中で分裂してアメーバみたいなデザインに変化するよりも、最後までクラゲ状態でいて欲しかったかな。

まあ、それもこれも宝石強盗団に物語の重点を置いたから起こった事であるので、物語を宝石強盗団に重点を置くのではなく、怪獣ドラマの方に重点を置けば良作になっていたのではないだろうか。
何だか非常に勿体なく思える作品であった。
監督・本多猪四郎、特技監督・円谷英二、東宝配給の怪獣映画。
東宝はこの頃大量に怪獣映画を作成していて、1956年から年一本程度だったのが、63年、64年は凡そ4ヶ月に一本の割合で本多猪四郎監督作品があり、多忙を極めていたのではないかと思います。
ドゴラはそんな最中、64年4月に公開された怪獣映画で、日本映画では初となる宇宙怪獣が登場する映画として有名です。
宇宙怪獣といえば、私が思い浮かぶのはギロンとか、ガイガンとか、あとキングギドラなど質感の伴う恐竜型怪獣なのですが、本作の宇宙怪獣は巨大なクラゲのように宇宙を漂う生命体で、空を見上げると不気味にうごめく、クトゥルフの神々のような生き物として描かれています。

ストーリーは、宝石専門の強盗団とそれを追う警察の追跡劇と、世界中で発生しているダイヤモンド盗難事件の捜査、実質2つの異なる展開が並行して走る形になっています。
テレビ中継用衛星の謎の消失事件、トラックや人間が浮遊する謎の現象と時を同じく、世界規模のダイヤ盗難事件が発生。
ダイヤの盗難はある強盗団の仕業と思われ、警察は追跡を行っていたが、それら怪事件は、炭素をエネルギー源とする宇宙細胞の仕業ということがわかる。
強盗団を追っているうちにドゴラの正体に感づくダイヤGメンのマークがいいキャラをしていて、最後の最後まで敵か味方かわからないまま、何度も駒井刑事と仲違いをします。
そういう人間ドラマ部分が物語の大部分を占めていて、怪獣映画という感じがあまりしなかったです。
ドゴラの登場シーンも数カットほどしかなく、またドゴラが人を襲うシーンもないため、どちらかというと怪獣が暴れることによる被害というより、ドゴラが巻き上げる石炭を糧に生きている炭鉱の人々の生活が視聴時には心配になりました。
ただ、その数カットの内に巨大なドゴラが空を舞うシーンがあり、その姿は巨大で、人では勝てないという印象を持たせます。

ドゴラの造形は、前述の通り、クトゥルフぽいというのが個人的な感想です。
他の怪獣では例えられない個性的なデザインで、例えばゴジラやガメラがドゴラと戦ったとして、そもそも戦いになるイメージが湧かないような姿形をしています。
作中ではこいつが人間に対して攻撃性を見せるシーンはないですが、例えば空から人体に含まれる炭素もターゲットとして吸い込み始めるとすると、一気に恐怖度があがります。
不気味さ、おぞましさを感じさせる素晴らしい造形だと思います。
しかし、ドゴラは人を襲わず、ダイヤや石炭をターゲットに略奪をするのみの怪獣なので、登場シーンはほぼ食事中のシーン。
ストーリーも悪くはないが、起伏が少ないため、中盤はやや退屈を感じました。
「ドゴラのご飯食べている姿がみたい!」という方にはオススメです。
チェケ

チェケの感想・評価

3.0
中村伸郎が特撮に出るイメージあまりないから新鮮だった。強盗団追跡パートと宇宙細胞パートが乖離してて一つの映画にする意味があるのかよく分からなかった。ドゴラのデザインは特撮史に残る秀逸さ。
Dogora, the Space Monster

東宝特撮怪獣の中でも異彩を放つ造形のドゴラが斬新
若戸大橋を掴んで破壊するシーンが印象的
若林映子も相まって初期の007の雰囲気がある

このレビューはネタバレを含みます

 無形の怪獣ドゴラの造形が素晴らしくて、炭素を食べるために石炭を吸い上げて、空中をイカかクラゲかみたいなのが浮遊していてどうやって撮影してるのか気になりました。

 一方、ダイヤ強盗団は強盗しようとするけどダイヤが消えてしまって誰の仕業か? という流れとそれを追いかける刑事さんの流れ。
 このくだりが物語の半分というほとんどをしめているので怪獣映画とスパイ映画みたいな2つの映画を見ている不思議な気持ちになりました。

 しかもこの刑事たちがオマヌケすぎだし、ドゴラを倒す方法も偶然ミツバチの毒が弱点というのがわかって、それをミサイルで撃ちまくる。するとドゴラは何故か岩になって落ちてくるという。
 その岩が落ちてくる中で、銃撃戦をする刑事と強盗団。強盗団の最期は笑うなという方が無理って話で、凄いことになってました。カタコトの日本語の天本英世さんが物凄いインパクトでした。

 怪獣映画としても中途半端になってしまって刑事さんたちも偶然で次に転がっていくので何でもありになってしまって、後半どうでもよくなっていってしまいました。
地球上の生物の原理が通用しない宇宙細胞生物をテーマにした東宝の野心作。
ドゴラは大きなイカかクラゲのような体で、空高く浮遊しながら、雲の中から炭素を食べるために石炭などを吸い上げたり、攻撃を受けると巨大な触手を伸ばして反撃してくる。デザインしたのは、『地球防衛軍』『海底軍艦』の小松崎茂。一瞥しただけで、これが宇宙から飛来した生物だと納得させられるだけの説得力がある姿だ。
ある特定の物質を食いに地球にやって来た宇宙怪獣ということだが、空に浮いているだけで、運動、熱、電気、すべてのエネルギーを吸収してしまうバルンガを弱くしたみたいな設定であるため、テレビシリーズが描いた敵よりも小物に感じてしまうのは否めない。30分番組で対処できる程度の敵で80分持たせるのは確かにキツイ。
特撮は、水槽内にビニール製のドゴラを沈めて動かしたり、ミニチュアの吊りでなくアニメ合成で触手を描いたりと、様々な実験的映画手法に挑んでいる。雲のなかから降りてくるシーンは、ラヴクラフトに出てくるような旧神のようで、ゆらゆらとした触手の動きは、そんじょそこらのCGよりも生物感があって気持ち悪い。
着ぐるみではない実態のない怪獣で一本作るというチャレンジ精神をもって評価できるが、ちんけな人間ドラマがストーリーにからむと、とたんにスケールが小さくなる怪獣映画の弱点が露になっているため、決してすべてが成功しているとは言えない。
怪獣映画における人間ドラマパートで興味深いのは、それを研究し対策する科学者や自衛隊の視点であって、怪獣に直接関係ない人々のあれこれはいい加減でもいい。
本作は、あくまで怪獣騒動に付随する事件であるはずの強盗とそれを追う刑事の関係を掘り下げすぎているため、興味の持続が分離してしまって、交互に2本別々の映画を見ているような不思議な気持ちになってくる。
流暢なんだか変だかわからない日本語を聞いてくらくら。カタコトというか空耳アワー。
この映画、タイトルに「宇宙大怪獣」と掲げているのだから、もっと怪獣特撮を見せて欲しかった気がする。
東宝特撮の怪獣映画を観ているのか、ダイヤ強盗物語を見ているのか、判らなくなった。
中途半端な出来が残念。

ただ、この作品に出て来た博士(中村伸郎)の秘書役の女優=藤山陽子は綺麗だった。
鴉

鴉の感想・評価

-
新文芸坐のオールナイトで寝た詫び。
ドゴラのクトゥルフ感好きだよ。だからドゴラをもう少しストーリーに組み込んであげてよ。
(オールナイトの1本として鑑賞。夢見心地で観たので点数は自粛します。)

消息を絶った人工衛星、多発するダイヤモンド強盗と謎の枝豆大好き外国人。怪獣映画としてはかなりヘンテコで人間同士の争いが多い。

オールナイト上映のラスト1本で、朝方に観たためもはや映画と夢との区別がつかない。割りと面白かったなというのと、色んな物が空に吸い込まれる映像と神秘的に蒼白く光る巨大なドゴラの触手がとても綺麗だったなという印象。もう1度ちゃんと観たい感じがする。
「ミーを信じなさい。ミーの腕はダイヤモンドGメンの折り紙付きネ!」天本英世はなんなんだ(歯きったねえ笑)。それからダン・ユマ。なんなんだ……

ドゴラ完全体も特殊噴霧機も好きなんだけどな。化学プラントや大量の蜂毒生成物のドラム缶が並んでるショットは『シン・ゴジラ』

細かいところはちょっとおもしろい。「ダイヤなんて始めから無かった」ズコーッ

決戦の地の、迎撃準備が整ったボタ山のセットが雰囲気ある
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