やま

リアリズムの宿のやまのレビュー・感想・評価

リアリズムの宿(2003年製作の映画)
4.1
和製ジム・ジャームッシュとも聞いたことがある山下敦弘監督の映画。

ただ2人の映画監督を志す者、そのうち片方は童貞、後に片方は6年間付き合っていた彼女と別れた男とわかる、2人の物語。

そしてその2人は宿を点々と移動していく。ただそれだけの映画。


ジャームッシュを意識してるのか冒頭の横移動、音楽の流れる感じは「ストレンジャーザンパラダイス」をいきなり想起させる。しかし進んでいくと彼とは違う、
日本的なシュールな笑いという感じがした。物語の構造的には似てると思うけども。

一つ一つの小話が面白く、納得のいくモノもあれば、どこかソワソワしてしまうエロさだったり、笑える物であったり、シュールといっても様々なシュールを展開させてく。
後半になり彼らのお金は尽きそうになる。
しかしそれでも移動を止めない彼ら。
後半には少々最悪な状況となっていく。しかしそれすらも最後には笑い飛ばしてしまう。そんな彼らにつられて笑ってしまう。

そしてまた彼らは移動し続ける。


冒頭彼らは先輩、後輩という立ち位置であったことも着目してしまう。


一番面白いのは、尾野真千子の登場シーン。衝撃と笑いが同時にやってくる。走る彼女と、また走る彼ら。最高に笑えた。

そして彼女と彼らのラストは時が止まる感覚。

カウントであったり他にも映画で遊んでる感じとかもあったりして結構好みでした。
こんな旅したくないけど、少し憧れる。
やま

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