M少佐

オテサーネク 妄想の子供のM少佐のネタバレレビュー・内容・結末

オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

 「精子がノロマなのよ」

子供が出来ない夫婦。
妄想で何でも赤ちゃんに見えてしまう。
夫は無精子症、妻も不妊症と懐妊は絶望的。
隣人の勧めで夫婦は気晴らしに別荘を購入する。
悲しむ妻の為に庭で掘り起こした切り株を人の形にして妻に与える夫。
切り株に愛情を注ぐ妻が段々と常軌を逸してゆく。

これは良い悪趣味。
お伽噺をグロテスク方面に持って行く技法かと思ったら元のお話もグロテスクだったでござるの巻。
脇役かと思っていたら傍観者から観察者、そして加害者へと変貌してゆく隣の家の耳年増な少女。
そりゃパッケージにもなりますね。
後半の主役
切り株が肉と人肉の味を覚えて惨殺してゆく様は気持ち悪くもあり滑稽でもある。
夫婦が息子(?)の怪物を庇いきれなくなってゆく様や少女の陰鬱な性への興味など見ている側はムズ痒いとともに目が離せず、なんとも不快。

後半は惨殺が増えて無関係な人や近隣住人、果ては夫婦も切り株の化物オテサーネクに食われてしまう。
だが少女は生き残るのは不満。
全員食われりゃ楽しかったな。

ただ猫の扱いが虐待と補食惨殺と最悪なので猫好きには勧めません。

短編は見たことあったけど
シュバンクマイエル長編は初体験。
好きかも。
M少佐

M少佐