このレビューはネタバレを含みます
1:物語:★★★☆☆
本作は、チェコの民間伝承 木の赤ん坊 を基にした物語です。人間の欲望や執着、自然と人間の関係など深いテーマが含まれています。
2:表現:★★★★☆
本作では、監督特有のコマ撮りアニメーションと実写が融合しています。特に、木の赤ん坊が成長して暴れ回るシーンでは、シュヴァンクマイエル独特の不気味で幻想的なアニメーションが存分に発揮されています。
3:社会風刺:★★★★★
物語全体にブラックユーモアが散りばめられています。例えば、子供を持てない夫婦の執着が悲劇を生む過程や、周囲の住人たちの奇妙な反応が皮肉たっぷりに描かれています。これは現代社会への風刺とも受け取れる部分です。
4:心理描写:★★★☆☆
登場人物たちの心理描写が非常に細かく、特に主人公の夫婦が次第に現実と幻想の境界を失っていく様子は、強烈な印象を与えます。この点で、シュヴァンクマイエルの作品の中でも一際心理的に深い映画といえるでしょう。
5:デザイン:★★★★☆
シュヴァンクマイエル作品らしく、美術やセットデザインにも注目です。暗い色調や不気味な小道具が、物語の持つ不穏な雰囲気を際立たせています。