あしからず

安珍と清姫のあしからずのレビュー・感想・評価

安珍と清姫(1960年製作の映画)
3.7
女の執念と僧侶の苦悩を艶やかに背徳的に描く安珍・清姫伝説の映画化。
若尾文子と市川雷蔵のまちがいないコンビ。
琴の音色が叙情的に響いて彼らの悲恋を美しく彩っていた。
原典では蛇の姿が強調されおどろおどろしいイメージだが、本作の清姫は最初こそ小悪魔なものの安珍を一途に想う所がいじらしい。いつの時代も恋しちゃいけない相手は燃える。
清姫蛇が鐘に巻きつく所のSFXが急にたのしい。


以下、主演お2人が好きすぎる戯言です…
この作品ホントあややと雷蔵さまの色気がすんごい。蛇に変わる前から既に妖のように美しいあやや。まゆげって大事だなと思いつつあのまゆげであの美しさって何?
そしてそれ以上に色気むんむんな雷蔵さま。自分が坊主フェチという事をのぞいても本作に臨み断髪したリアル坊主な雷蔵さま美の化身。煩悩と仏道に板挟みになり苦悩に顔を歪めあややの肢体から顔を背ける様がホント背徳的ギルティ。結局煩悩に取り憑かれるのもあややならしょうがない。
本作はまさかのあややのポロリがあるんだけど(この作品だけ?)なんか見てはいけないものを見た気分で、あややごめん。でも同じ場面の回想シーンでは何故かポロリしてなくて笑った。
薄紫の衣装も美しく、夏物の透ける着物や紗の布地が清涼感があった。内容はドロドロだけど。
この作品の2人のインタビューも仲良くきゃっきゃっしてて可愛い。
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