にこ

彼岸花のにこのレビュー・感想・評価

彼岸花(1958年製作の映画)
3.8
BSプレミアム二週目の小津作品は小津初のカラー作品となった彼岸花です。

お馴染みの娘の結婚を軸にストーリーは進み、本作ではお父さんの娘を嫁にやる心境を描いています。
会社の重役でなに不自由ない生活を送っている平山家。娘もいい歳だし、そろそろ結婚か、と考えてはいるし、部下が恋愛結婚した時は素晴らしいことだと言っていたくせに、実際娘の婚約者が現れた途端に認めたくない父親……。
まわりには自分の好きなように恋愛し、結婚したほうがいいと理解を示すくせに自分の娘には話が違う。
娘を正体不明な男になんてやらないんだからな!!と堅物なんだけどどこかおかしくって笑
このお父さん役は小津映画お馴染みのお父さん役の笠智衆じゃだめだったね、佐分利信ぴったりでしたね笑

京都の女将とその娘のマシンガントークでがんがん言ってくる物言いも面白おかしかったなぁ。
お父さんに仕掛ける京娘のトリックとかね笑
最後の最後まで素直にならないお父さんと娘の節子、途中結婚を認めたくないからって結婚式にでないと言い出すお父さん。
親から祝福されない結婚に節子は気持ちをどんどん落としてしまうんだけど、その気持ちを表してたシーンではホロッと切なくなりました……そうだよね、親から認められず、このまま結婚して溝ができたままになるとか、かなしいよね(´;д;`)

そんな、お見合い結婚から恋愛結婚が認められてきた時代の、親子の心境を描いた小津映画初フルカラー映画でした。
初のカラー作品ということで、小物にこだわりを持って特に赤色のかわいい小物や着物や家具が画面で光っていましたね、そんな小物にも注目してみるのも楽しかったっす!

出演者の大体がお馴染みのメンバーばかりで悪くいえば代わり映えしないんだけど、良く言えば信頼のおけるメンバーって感じだったり、
お店とか家とか使い回してる感ばりばりだったり、どれがどの映画だったかわかんなくなりそうですね笑
我が家での注目株は高橋とよ。
とよが出てきたら何故かまた出てきたぞこいつ笑、とつっこんでしまう笑
にこ

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