めしいらず

オペラ座 血の喝采のめしいらずのネタバレレビュー・内容・結末

オペラ座 血の喝采(1988年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

まあお話が破茶滅茶だったり行き当たりばったりに見えたりするのはいつものアルジェント調。色彩感覚は大人しめだけれど、殺人シーンにおける執拗な畳み掛けが物凄い。ナイフが顎を刺し貫いて口の中に切っ先が覗いたりだとか、死体が飲み込んだ物を取り出そうと閉じた口をこじ開けるナイフと歯が当たる音だとか、それが叶わず喉を切り開いて取り出すだとか、その肌感覚が心底厭な気持ちにさせる。そのままを映しているのではないけれど背中がゾワっとするグロテスク感覚がまさにアルジェント美学。性的に不感症である主人公が、いくつもの殺人を無理矢理に眼を見開かされ見せつけられて(その装置の恐ろしいこと)いるうちに性的にエクスタシーを得ていく。不穏なラストシーン。犯人を殺害した彼女もまた殺人淫楽症に堕ちただろうか。カラスの凶々しい活躍も見逃せない。
再鑑賞。
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