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オペラ座 血の喝采のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

オペラ座 血の喝采(1988年製作の映画)
3.6
完全版で鑑賞。
久々に再鑑賞したアルジェント監督作品。
スラッシャー映画の怪作。好きな作品。

カラスの眼球のアップ、犯人視点の映像、とかく「見る、観る、視る」に拘った映像と美術セットと殺害描写。
どこ切り取っても監督の美意識が詰まった映像。

物語は「いやいやちょっと待て」と突っ込みたくなること必至(特にラストシーン)
いろいろとっちらかってるが、ヒロインを虐げることが第一で、最後に彼女の魂が自由(トラウマからの解放)になればそれで良し。
伏線回収?あの小道具の意味?それら些末なことは気にしない。
撮りたいものはこれだと伝わる画の力。美しい映像群、惨劇シーン、監督の美意識の前には語の破綻云々は気にしない。

クリスティの作品に「象は忘れない」というのがあるが、こちらはカラスの「仲間を襲撃した相手を忘れない」という習性を用いての面白い演出。カラス視点からの犯人への襲撃シーンは見処のひとつ。