ダリオ師匠(あるいはダリオ兄さん)だから許される95分間のやりたい放題でした。誰も師匠を止められない…。
ダリオ師匠、既成概念気にしなさすぎ。笑
ものすごいご都合主義な物語と独特の美意識に満ちた映像との相乗効果で現実味のない世界ができあがっており、映画における惨殺の舞台としてはよかったのかもです。
そしてそこで展開されるのはド変態な趣向でのスタブ愛。
いやスタブ愛とかあるの?
でも観てると確かに感じるスタブ愛…
むしろスタブ愛だと考えなければ理解不能なこだわりの数々…
自分がノーマル(たぶん)であることが悔しくなるくらい奔放にいろいろおやりになってました。と同時に、映画監督という職業があったおかげでひとりの変質者が世に放たれないですんだんじゃないかと考えましたね。
ちなみにジャケットは、拘束されて瞬きしたら針がまぶたに刺さるようにされている主人公です。
犯人は殺害現場でこのように主人公を拘束した上で、刺殺の瞬間を主人公に見せるのです。で、
「どうだい?感じただろ?」
みたいなことを聞くっていう。
はたして主人公も変態ワールドへ堕ちるのか?それとも踏みとどまるのか?というのが話の要点でした。
ちなみに私の昔の友人(性癖がS)によりますと、これって人間のS魂に強く訴えかけてくる作品・S魂を揺さぶる作品らしいですよ。その人、普段は芸術系の作品しかみないのにこれだけは繰り返して観てましたから。
ところでオペラがお題の作品にもかかわらず、殺害シーンにはお約束のようにロックが流れ、殺害シーンが終わったほんの一瞬後にはもうしっとりした曲が流れる切り替えの早さはラテンの血ですか?師匠?
あ。カラスがかわいい映画でもありました。
普段そのへんで見かけるカラス(ハシブト?)とはちょっと違うカラスでした。ローレンツの本に出てくるやつ(コクマル?)かな。
カラスの出番、わりと多いです。そしてやたら長いです、カラスの出演シーン。師匠もカラスを気に入ったんですかね。