「燃えよドラゴン」に続くアジア系ヒット作を模索していたワーナーブラザースが目をつけたのは、ニッポンのヤクザ映画だった。
「タクシードライバー」のポール・シュレーダーと、「チャイナタウン」のロバート・タウンが脚本を手がけた異色作。ハードボイルドな彼らの作風を考えるとナイスな人選。任侠の世界を武士道のように描き違和感がない。東映の任侠映画にロバート・ミッチャムがそのまま出演しているかのようで、よくあるとんでもないニッポンが描かれているハリウッド映画とは全く違う。
あと味の悪い映画でもあるが、高倉健のストイックで義理を貫くヒーロー像が素晴らしく、完全にロバート・ミッチャムを喰っている。再評価されてもいい作品。