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ハート・ロッカーのヨウのレビュー・感想・評価

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)
3.7
イラク戦争を背景にアメリカ軍の爆破物処理班の動きを追っていく。殉職した隊員の代わりに新たに加わった、死を恐れない男を中心に激烈なストーリーをみせる。各人に差し迫る、尋常じゃない緊迫感を与えるようなカメラワークが秀逸であり、これだけでもかなり高く評価できる。危機が蔓延る戦場だけでなく部隊内で巻き起こるヒューマンドラマにも存分に焦点が当てられていて、深みのある内容となっている。生と死の狭間に誘われ、桁外れのハラハラ感と没入感が沁み渡る。爆発と銃撃が滞りもなく飛び交う空間で精神を削らせていく主人公の心情の変幻模様は要注目だ。最初と最後でその姿が変わってみえてくるのは不思議。アベンジャーズでお馴染みのジェレミーレナーとアンソニーマッキーの共演は熱い。危険極まりない爆破物に命運を握られた男たちが織り成す全く新しい戦争映画だった。女性監督として初めてアカデミー賞を総なめしたキャスリンビグローは映画界に大きな革命をもたらした。これからも彼女の作品に目を付けていきたい。
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